脳梗塞は再発率の高い病気です。
退院後は、血栓ができないように治療を行いながら、血栓ができる原因をつくった生活習慣病などの管理も行う必要があります。また、再発予防ができているか定期的に検診を受けることも大切です。
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脳梗塞の再発
脳梗塞の再発率
再発率 | |
---|---|
発病後1年間 | 約10% |
発病後5年間 | 約30% |
発病後10年間 | 約50% |
初回と同じタイプの脳梗塞を繰り返しやすい
初回の脳梗塞の原因がある以上、同じ原因で血栓ができやすいため、同じタイプの脳梗塞を起こす可能性が高いです。もちろん、初回と違うタイプの脳梗塞を起こすこともあります。
初回より後遺症が悪化する可能性が高い
再発によって障害される部分が広がるため、初回以上に後遺症が重くなって生活の質が落ちたり、後遺症が増える可能性が高いです。死亡することもあります。
脳梗塞の再発予防
血栓の予防
血栓を予防するには、脳梗塞のタイプに応じて血栓をできにくくする薬を服用しなければいけません(抗血栓療法)。服薬だけで不十分な場合は、外科的な治療が行われることもあります。
心原性脳塞栓症を起こした場合は、心臓内で血液がよどみ、血栓ができやすくなっているので、「抗凝固薬」が使われます。アテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞を起こした場合は、動脈硬化が進行して血栓ができやすくなっているので、「抗血小板薬」が使われます。
但し、抗血栓療法には出血の副作用があるので、内出血などには注意が必要です。
危険因子の管理
脳梗塞を起こす危険性を高める高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、服薬でコントロールしたり、生活習慣を改善して値を目標値まで下げる必要があります。
喫煙されている方は禁煙しなければいけません。
定期健診
脳梗塞の再発が起きていないか、薬が効いているかなどを確認するために定期的に検査を受ける必要があります。月1回程度、外来で麻痺のチェックや血液検査、血圧測定などを行い、年に1回程度、MRIなどの画像検査も受けるべきです。
最後に
脳梗塞を早めに発見して治療すると、血栓がなくなって症状が緩和・改善されますから、生命に対する危険はなくなりますが、治療が終わっても安心することはできません。
脳梗塞は再発率が高く、再発時は初回より後遺症が重くなる可能性があるからです。
私の父の場合、心原性脳塞栓症を患ったので、死ぬまで抗血栓薬を飲み続けなければいけません。また、もし再発して今回よりひどい後遺症が残れば、私達家族だけでは介助しきれなくなります。脳梗塞の再発予防は、決して父だけの問題ではありません。
家族全員で脳梗塞の再発予防と向き合っていく必要があります。
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